Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

2015-01-01から1年間の記事一覧

科学とアートと生きる力〜毛利衛『日本人のための科学論』

日本人のための科学論 (PHPサイエンス・ワールド新書)作者: 毛利衛出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2010/11/20メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (8件) を見る 年2回くらいの頻度で訪れる日本科学未来館。 最近では、期間を延長して5/10…

十数年ぶりに読む清水節〜清水義範『国語入試問題必勝法』

国語入試問題必勝法 (講談社文庫)作者: 清水義範出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/12/06メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る国語入試問題必勝法 (講談社文庫)作者: 清水義範出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/10/08メディア: 文庫購入: 3人…

説得力ある言葉の数々〜日野原重明『十歳のきみへ−九十五歳のわたしから』

十歳のきみへ―九十五歳のわたしから作者: 日野原重明出版社/メーカー: 冨山房インターナショナル発売日: 2006/04/01メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 31回この商品を含むブログ (14件) を見るよう太は4月に11歳になってしまったのだけど、前から気にな…

法条遥『リライト』『リビジョン』『リアクト』〜タイムパラドックスマニアにオススメのシリーズ

リライト (ハヤカワ文庫JA)作者: 法条遥,usi出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/07/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (18件) を見るリビジョン (ハヤカワ文庫JA)作者: 法条遥,usi出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/07/24メディア: 文庫この商…

伊藤潤二の方程式(6)「ついていけない」が生む恐怖

このシリーズでは、伊藤潤二作品の魅力を、主にビジュアル面から取り上げてきたが、その他の部分にこそ伊藤潤二作品の神髄はあるのだ!ということを今回は言いたい。 そこで、「記憶」という作品を取り上げ、類似作品との比較から伊藤潤二作品のもうひとつの…

伊藤潤二の方程式(5)「身近な恐怖〜人体」

伊藤潤二恐怖博物館 7 うめく排水管 (ソノラマコミック文庫 い 64-7)作者: 伊藤潤二出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2007/11メディア: 文庫この商品を含むブログを見る巻末解説は、今をときめく直木賞作家で本屋大賞受賞者の三浦しをん! 「私の好物は…

オリジナル・ラブ新アルバム収録の「フランケンシュタイン」について掘り下げる

ラヴァーマンアーティスト: ORIGINAL LOVE出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC発売日: 2015/06/10メディア: CDこの商品を含むブログ (11件) を見る6/10に発売予定のオリジナル・ラブの新アルバムのタイトル(『ラヴァーマン』)、そして曲名が発表になった…

伊藤潤二の方程式(4)「神経症的な描線」

伊藤潤二恐怖博物館 9 押切異談&フランケンシュタイン (ソノラマコミック文庫 い 64-9)作者: 伊藤潤二出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2007/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るもう一昨年のことになるが、よう太と親子二人で初めて観…

伊藤潤二の方程式(3)「オチを凌ぐ絵力(えぢから)」

伊藤潤二恐怖博物館 5 路地裏 (ソノラマコミック文庫 い 64-5)作者: 伊藤潤二出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2007/11メディア: 文庫この商品を含むブログを見るソノラマコミック文庫で発売された恐怖博物館には、各巻に解説がついているが、この巻は…

伊藤潤二漫画の感想 目次

伊藤潤二『伊藤潤二恐怖博物館-8-白砂村血譚』(2004年4月) 伊藤潤二『ギョ』全2巻(2007年4月) 伊藤潤二『新・闇の声 潰談』 (2007年5月) 伊藤潤二『サイレンの村』 (2007年5月) 猫愛と自虐ネタ〜伊藤潤二『伊藤潤二の猫日記よん&むー』(2011年11月…

伊藤潤二の方程式(2)「罪悪感」

4/11のテレビドラマ「世にも奇妙な物語」で伊藤潤二の「地縛者」が映像化されるという。数多く映像化されている伊藤潤二の作品だが、これまで見たことがなかったので、楽しみにしている。 今回、前田敦子が、『世にも奇妙な物語 25周年スペシャル・春?人気マ…

伊藤潤二の方程式(1)「意図しない変化」

伊藤潤二の作品は、一時期、文庫形式の『恐怖博物館』シリーズで(単行本を持っていなかった)後半部分のものを集めた一方で、初期に単行本として揃えていたハロウィンコミックスのものは引越のタイミングで手放してしまっていた。 最近になって欠けていた2…

田島貴男 弾き語りツアー2015 最終日(3/28(土)渋谷さくらホール)

まずセットリスト。多分合っているはず…。 ボラーレ Deep French Kiss 一撃アタック クレイジアバウチュ 沈黙の薔薇 ウイスキーが、お好きでしょ 海が見える丘 欲しいのは、君 Glass プライマル 春よ、来い(松任谷由実のカバー) サンシャイン日本海(Negic…

悩み相談もコンボが重要〜『ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み、豚に相談した?』

ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み、豚に相談した?作者: ロースおじさん出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2014/08/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見るロースおじさんのとんかつQ&A その悩み、豚に相談した? (一迅社ブ…

義務教育でみっちり教えるべき内容〜福井健策『18歳の著作権入門』

18歳の著作権入門 (ちくまプリマー新書)作者: 福井健策出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/01/08メディア: 新書この商品を含むブログ (15件) を見る先日の記事(オリジナル・ラブの楽曲で著作権について勉強していたら意外な事実が…!)でも触れた『18歳…

誰があの子を救えたか〜森絵都『つきのふね』

つきのふね (角川文庫)作者: 森絵都,国分チエミ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/11/23メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 58回この商品を含むブログ (158件) を見る川崎市の多摩川河川敷で中学一年生が殺害されるいたましい事件が起こった。 被害者少…

自分は冬が越せるだろうか〜ジュール・ヴェルヌ『二年間の休暇』

二年間の休暇(上) (岩波少年文庫)作者: ジュール・ヴェルヌ,私市保彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/02/17メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る二年間の休暇(下) (岩波少年文庫)作者: ジュール・ヴ…

オリジナル・ラブの楽曲で著作権について勉強していたら意外な事実が…!

最近以下の本を読みました。18歳の著作権入門 (ちくまプリマー新書)作者: 福井健策出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/01/08メディア: 新書この商品を含むブログ (15件) を見る 著作権に関わる近年の具体的事例(佐村河内守氏のゴーストライター騒動、刑…

最高の書き出しとラストの大ジャンプ〜佐藤正午『ジャンプ』

ジャンプ (光文社文庫)作者: 佐藤正午出版社/メーカー: 光文社発売日: 2002/10/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (61件) を見る新作『鳩の撃退法』が気になった佐藤正午。代表作である『Y』も『ジャンプ』も未読なので、まずは…

山岸涼子の方程式〜山岸涼子自選作品集『私の人形は良い人形』

わたしの人形は良い人形―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)作者: 山岸凉子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1997/05メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 100回この商品を含むブログ (30件) を見る山岸涼子のホラー漫画には独特の雰囲気がある。 例えば伊藤…

限界集落化からの生き残りの解〜篠原匡『神山プロジェクト』

神山プロジェクト 未来の働き方を実験する作者: 篠原匡出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2014/03/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る神山プロジェクトについては、この本を読むまではほとんど知らなかったので、全てを新…

泥の世界でヒトとは何かを考える〜北野勇作『どろんころんど』

どろんころんど (ボクラノSFシリーズ)作者: 北野勇作,鈴木志保出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 2010/08/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 82回この商品を含むブログ (27件) を見る昨年夏から何回かAIBOの話題を見かける。 ロボットだから永遠に一…

耳かきの適正頻度はどれくらい?〜杉浦彩子『驚異の小器官 耳の科学』

驚異の小器官 耳の科学 (ブルーバックス)作者: 杉浦彩子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/10/21メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見るブルーバックスと言っても、誰もがその単語からイメージできる「耳」に関する本だから当然、という面はあ…

納得の4冠!海外小説を読まない人にもオススメ!〜ピエール・ルメートル『その女アレックス』

その女アレックス (文春文庫)作者: ピエールルメートル,橘明美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/09/02メディア: 文庫この商品を含むブログ (159件) を見る まずはネタバレなし感想。なかなか頭から離れない思い込みに「海外小説はもたもたして読みにく…

みんなの不安の物語〜マルヨライン・ホフ『小さな可能性』

小さな可能性 (児童単行本)作者: マルヨラインホフ,野坂悦子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/05/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る キークのパパは、お医者さん。たくさんの人を助けるために戦争をしているところへ向かった。心配で心配で…

原作の面白さを再確認〜俵万智・斎藤隆夫『かえるの竹取物語』

かえるの竹取ものがたり (日本傑作絵本シリーズ)作者: 俵万智,斎藤隆夫出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 2014/09/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこれも俵万智さんが現代語訳で携わっている本。 竹取物語は、中高の古文の時間に触れただけ…

抑え目の第一巻〜本多孝好『ストレイヤーズ・クロニクル ACT-1』

ストレイヤーズ・クロニクル ACT?1作者: 本多孝好出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/04/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る 驚異的なスピードで動く、遠距離の音も聞き分けられる、見たものすべてを記憶す…

自分の中に潜むヤンキー的感性〜原田裕規 編著『ラッセンとは何だったのか?』

ラッセンとは何だったのか? ─消費とアートを越えた「先」作者: 原田裕規,斎藤環,千葉雅也,大山エンリコイサム,上田和彦,星野太,中ザワヒデキ,北澤憲昭,暮沢剛巳,土屋誠一,河原啓子,加島卓,櫻井拓,石岡良治,大野左紀子出版社/メーカー: フィルムアート社発売…

近年の俵万智著作6冊を一気読み

もともと短歌関連の本はいくつか読んでいたが、わけあって12月に俵万智関連本を集中して読んだ。 自分が俵万智さんに興味を持ったのは、 自分の息子の年齢が俵万智の一人息子・たくみ君と近いということ (会ったことはないが)同じ時期に仙台に住んでいたと…

誰にでもオススメできる2014年最も面白かった漫画〜三部けい『僕だけがいない街』(1)〜(5)

僕だけがいない街 (1) (カドカワコミックス・エース)作者: 三部けい出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2013/01/25メディア: コミック クリック: 3回この商品を含むブログ (137件) を見る僕だけがいない街 (2) (カドカワコミック…