読書
承久の乱 日本史のターニングポイント (文春新書)作者:本郷 和人文藝春秋Amazon今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送直前の正月に「鎌倉殿サミット2022」という特番(NHKがあり、番組が立てたいくつかの「謎」に対して複数の歴史学者が持論を戦わせて…
ギケイキ2: 奈落への飛翔 (河出文庫 ま 17-4)作者:町田 康河出書房新社Amazon 相も変わらずの『鎌倉殿の13人』関連作品。 まだドラマには出ていない源義経が主人公で、南北朝時代から室町時代初期に成立した『義経記』を元に町田康がいわば超訳した小説。 だ…
承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)作者:坂井孝一中央公論新社Amazon 今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証担当の坂井孝一さんの著書。 ということは、歴史の勉強になるだけでなく、これから大河ドラマで描かれるストーリーを探る上で…
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まったこともああり、小中学生時代に読んでいた『学習まんが少年少女日本の歴史』(以下、小学館版)と石ノ森章太郎『新装版マンガ日本の歴史』(以下、石ノ森版)を比べて読んでみた。学習まんが 少年少女日本の歴史7 鎌倉幕…
アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」 (集英社新書)作者:中川 裕集英社Amazon これは名著。タイトルから見ると、漫画『ゴールデンカムイ』の謎本、考察本の類かと思ってしまうところもあるが、著者は『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修を行っている千…
浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―作者:劇団雌猫小学館Amazon2017年初刷なので、少し前の本になるが、各種の沼にハマってしまった人たちの「推し」への愛以上にその「出費」に目を向けた本。目次を見ると、どんな趣味が取り上げられているのかがわかる。 ◎は…
ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語 (コルク)作者:品田遊コルクAmazon この本を読むきっかけになったのは『変な家』。 話題になっていたということ以上に、やはり間取り図メインの本ということに惹かれた。 『変な家』の感想を簡潔に言うと、とて…
TN君の伝記 (福音館文庫 ノンフィクション)作者:なだ いなだ株式会社 福音館書店Amazon前半の感想はこちら↓ pocari.hatenablog.com 『TN君の伝記』の後半の話は、特に今の政治の風景と重ねながら読んだ部分が多かった。 日本の歴史をしっかり辿ったのは中学…
TN君の伝記 (福音館文庫 ノンフィクション)作者:なだ いなだ株式会社 福音館書店Amazon先月11/6・7に行われたビブリオバトルのWebイベント「Bib−1 グランプリ 2021」(ビブワン)はいつも以上に色々な本の紹介があり、とても楽しく視聴した。 『TN君の伝記』…
今、キム・ジヘ『差別はたいてい悪意のない人がする』という本を読んでいます。差別はたいてい悪意のない人がする: 見えない排除に気づくための10章作者:キム ジヘ大月書店Amazon自分も差別的な発言をしていることや、そもそも自分が持っている特権への自覚…
本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式 (文春e-book)作者:石井 光太文藝春秋Amazon 日本は国民の7人に1人が貧困層。君たちが幸せをつかむために今知るべきこと。最底辺のリアルから始まる「新しい世界」のかたち。人生への向き合い方が「180度変わる」…
止まりだしたら走らない作者:品田遊コルクAmazonついこの前読んだ『名称未設定ファイル』の品田遊のデビュー小説。 pocari.hatenablog.com 自然科学部の都築くん(1年生)と新渡戸先輩(2年生)が東京駅から中央線に乗って高尾山まで行く間の会話をベースに…
アンソーシャル ディスタンス作者:金原ひとみ新潮社Amazon毎週の習慣として、土日は朝ランニングに出かけて、帰り際に新聞(土曜日は朝日、日曜日は読売)を購入する。書評欄を読むためだ。(あと数独) 書評が本そのものよりも良いところは、「読み終わらな…
名称未設定ファイル作者:品田遊コルクAmazon17編が入った短編集だが、ネット炎上や掲示板など、インターネット上の話題を扱ったものが多く、最も短いものは2ページの超短編。縦書きだけでなく、突然上下を逆さ*1にして横組みの掲示板小説に移行したりとバラ…
牧師、閉鎖病棟に入る。作者:沼田 和也実業之日本社Amazon これまで牧師として見舞いに行っていた病院へ、患者として入院した著者。その病棟は、分厚い扉で仕切られ−。 「ありのままでいい」と語ってきた著者が、ありのままに生きられない人たちと過ごした閉…
野田聖子さんの本を読んだのは中島岳志さんが著書『自民党 価値とリスクのマトリクス』で『私は、産みたい』を「名著」としていたからで、総裁選に名乗り出た4人の中では(マトリクス的に)最も共感できる場所に位置する野田聖子という政治家に興味があった…
河野太郎が自民党総裁選に立候補した。 news.yahoo.co.jpはっきり言って、臨時国会召集を拒否していて総裁選モードになっている自民党全体がダメなのだが、この総裁選で選ばれた人が次の日本の首相になると考えると無視はできない。 さて、河野太郎といえば…
砕け散るところを見せてあげる(新潮文庫nex)作者:竹宮 ゆゆこ新潮社Amazon 読み終えて、あれ?思っていたのと少し違ったと思った。 というのは、ラノベをあまり読まないので、そこに、漠然と野崎まど的な「ぽかーん感」を期待していたところがあるからだ。…
『心のノート』を読み解く作者:牧子, 小沢,孝, 長谷川かもがわ出版Amazonこの本は、2002年に文科省が全国の小中学校に「心のノート」を配布したことに対して、その問題点を、小沢牧子さん(1937生まれ)、長谷川孝さん(1941生まれ)、北村小夜さん(1925生…
最近、上野動物園のパンダに関するニュースがあった。 野動物園(東京都台東区)は19日、雌のジャイアントパンダ「シャンシャン」(4歳)が展示室のアクリル板を壊したと公式ツイッターで明らかにした。影響で一般公開が約40分間中断した。シャンシャン…
メンタリストDaiGoが自身のYouTubeチャンネルでホームレスや生活保護受給者を差別する発言をして問題となりました。 先日の小山田圭吾の騒動で勉強になったのは、関連団体の抗議文を読むことが自分にとって頭の整理になるということでした。その分野の専門家…
今回は最近読んだ3冊を振り返りながら、対話について学んだことを整理したい。 富永京子『みんなの「わがまま」入門』 みんなの「わがまま」入門作者:富永京子左右社Amazon納得いかない政治が続くことから、最近でこそ、ネット署名の活動に参加したりするこ…
QJKJQ (講談社文庫)作者:佐藤究講談社Amazonついこの前の直木賞を佐藤究が取り、受賞作の『テスカトリポカ』と同様に気になっていた江戸川乱歩賞受賞作『QJKJQ』を読んでみた。 タイトルに何となく(大好きな)メフィスト賞作品っぽさを感じたのが惹か…
旅を栖とす作者:高橋 久美子KADOKAWAAmazon 5/12のアトロク(ラジオ番組アフター6ジャンクション)のサウンドスケープ特集がよかった。 これまで、少し足を伸ばせば簡単に行けたあの街ですら、今は、はるか遠い星のよう。だったら、いつかの旅行で訪れたあ…
<ヴィジュアル版> フランス革命の肖像 (集英社新書)作者:佐藤 賢一集英社Amazon 『ベルサイユのばら』と『大奥』を読んで本当に良かったのは、歴史に興味が沸いたこと。 これまで、フランス革命に対する自分の認識は「非難爆発(1789)フランス革命」という…
ベルサイユのばら 3 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代子発売日: 1994/12/01メディア: 文庫ベルサイユのばら 4 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代子発売日: 1994/12/01メディア: 文庫ベルサイユのばら 5 (集英社文庫(コミック版))作者:池田 理代…
さよなら、俺たち作者:清田隆之発売日: 2020/07/02メディア: Kindle版読まなくちゃとずっと思っていた清田隆之さんの著作を初めて読みました。 男性の書くフェミニズムの本ということで、女性が書くそれよりも、さらに気の引き締まる思いでページをめくりま…
中村文則『掏摸』 掏摸 (河出文庫)作者:中村文則発売日: 2013/06/14メディア: Kindle版 東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。「これから三…
ザ・空気作者:永井 愛発売日: 2018/07/25メディア: 単行本 人気報道番組の放送数時間前、ある特集の内容について局の上層部から突然の内容変更を命じられ、現場は大混乱に陥る。 編集長の今森やキャスターの来宮は抵抗するが、局内の“空気"は徐々に変わって…
13億人のトイレ 下から見た経済大国インド (角川新書)作者:佐藤 大介発売日: 2020/08/10メディア: Kindle版 つい先日もテレビで「クアッド」と呼ばれる4か国のニュースがあった。 日本とアメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組みによる初めての首脳…